□■□クリスマスは君と一緒に□■□





「やきもち焼いてんの?」

と言った俺に、京一はびっくりして一瞬口が聞けなくなったが、咳込むように言った。

「な、なんでやきもちなんかッ!」
「京一は俺のこと好きで好きでたまんないもんな」
「・・・はァ!?男同士だぜ?気持ち悪りィ」
「それでもいいって思ってるくせに」

しれっと言い放つ俺に、京一は怒ったのか、顔を赤くして立ち上がった。
俺はベッドに寝たまま京一を呼ぶ。
だが京一は俺を無視して出て行こうとしている。

「う・・・イテェ・・・きょ・・いち・・・ゴホッ!・・・ううう」

俺のうめきに、京一は振り返って、そんな手には・・・と言ったが顔がこわばっている。
俺が震える手を差し出すと京一が広くもない病室を駆けてきて俺の手を取った。
すかさず俺は京一を抱く。

「な・・・ひーちゃん・・・まーさーかー・・・」
「京一の顔見たら治っちゃった」
「・・・いい加減にしろよなッ!いままでだって俺がどんだけ心配したと・・・」

心配と怒りのあまり涙目になっている京一の唇を俺は唇で塞いだ。
触れるだけのキスを、何度も何度も。
そして京一がすっかり落ちついたころに、俺はやっとキスをやめて

「男同士でもいいって思ってんのは俺の方だけどな」

と京一の耳に囁くと、京一はキスで濡れた唇を噛んで下を向いてしまって何も言わなかった。
けど俺に体を預けてきたのが答えだと解釈して、
俺は京一の体を抱いたまま体を反転させてベッドに押し倒した。
キスの嵐にしばらくはされるがままになっていた京一だったが、
俺が京一のベルトに手をかけると蹴りを入れてきやがった。

「病人だからって調子に乗りすぎだ!」

俺は口をとんがらしてみたが京一は頑として首を縦に振らない。
俺はぶつぶつ言いながらも、こうやって両思いでとなりにいてキスできることが嬉しくって
それ以上のことはあきらめ、布団に京一と二人でくるまってうとうとした。
ふと目が覚めると目の前に京一の顔があって小さくいびきをかきながら
少しよだれを垂らしていたのがかわいくて、その鼻にキスしてまた目を閉じた。



メリークリスマス


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