□■□クリスマスは君と一緒に□■□





「じゃあ違うことしようか」

と俺が言うと、京一は何のことかわからず、首を少しかしげた。
俺はその京一の顔を両手で挟むと、唇を重ねた。
しばらく京一は無防備なままだったが、自分の口の中を蹂躪してるのが俺の舌だとやっとわかると
慌てて俺を引き剥がした。

「なにすんだよッ!」
「なにってキスだよ」
「そういう意味じゃなくて!」
「俺、京一のこと好きだよ」

と言うと、京一の返事も待たずにまたキスをした。
男同士で、気持ち悪いって言うのはわかってるから、
どうせ嫌われるなら思いっきり振って欲しいから、
京一の言葉なんて聞かずに、ただ俺はキスをし続けた。

「ちょッちょっと待てよ!」
「やだ。待たない」

またキスをしようとする俺をおしとどめて京一は言った。

「そ、それはさ、嬉しいけど・・・」
「・・・嬉しい?」
「嬉しいよ。ひーちゃんが死ぬんじゃないかって思ったとき、俺・・・狂いそうだったよ。
 ひーちゃんのこと、す、好きなんだろうなって思った」

耳を疑うような京一の言葉を、俺はただぼんやりした気持ちで聞いていた。

「京一・・・」
「で、でも!キ、キスとかはさ・・・いいんだけど・・・
 やっぱりちょっと心の準備ができてないっていうか・・・」
「うん・・・わかった。じゃあ待つよ。キス以上のことはしない」 
「・・・いや、キスも・・・」

その先は聞いてあげない。聞こえない。
京一の唇はもう塞がってるから。
ばたばた暴れてた京一も、もう何十回というキスの嵐の中、
おとなしくされるままになっていた。

「京一、好きだよ」
「・・・・・俺も・・・」
「俺もじゃわかんないよ」
「う・・・お、俺も、ひーちゃんが・・・好きだよ」

恥ずかしくって俺と目を合わせないようにしてる京一にキスをねだると、
京一は気づかない振りをしてキスしてくれなかったから
俺からキスしておいた。


メリークリスマス


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