□■□クリスマスは君と一緒に□■□





壬生がシャワーから上がるのを待つ。
あせっちゃいけない。
それに俺が触れたら、
血で汚れた自分を許せないかもしれない、壬生は。
俺は壬生が何をしてこようと構わないけど、
壬生は繊細な上に自分に厳しいから。
壬生を大切にしたい。
だから安易な行動はしたくない。
・・・そう思うと、
今日が壬生に告白したりあんなことやこんなことをするチャンスだなんて思ってた自分が
急に恥ずかしくなる。

今日は、壬生と、二人で過ごせたらいいじゃないか。

俺はそう思った。
そうなると、ドキドキしたりそわそわしてたのが
穏やかな気持ちに変わる。
話したり、笑ったり。
それだけでいいんだ。

壬生がシャワーから上がった。
俺は手早くケーキのろうそくに火をつけて壬生が座るのを待つ。
壬生と一緒に、ろうそくを消して、
ケーキもカレーも半分こする。
カレーはあんまりおいしくなかった。
でも壬生はおいしいといって全部食べた。
一緒に食器を片づけて、
一緒にテレビを見て、
一緒に笑った。

俺はなんだか、幸せ、なんていいたくないくらい嬉しい気持ちであふれていた。
涙が出そうだった。
生きていてよかった。
死ななくてよかった。
また会えてよかった。
壬生に会えてよかった。
俺はほんとに涙を流していたらしい。
壬生は何も聞かずに、黙って俺の涙をぬぐい、頭をなでてくれていた。

メリークリスマス。


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