□■□クリスマスは君と一緒に□■□





俺は走って逃げることにした。

「あれ?ひーちゃーん!」

後ろで小蒔の叫ぶ声がするが、俺は振り返らずに走る。
たぶん、鈍感なあいつらのことだから、
俺が気づかなかったとでも思ってることだろう。
それはヤバイ。
追っかけてくるかも。
俺は走りに走った。
走って
走って
走った。

もうこの辺まで来れば大丈夫だろう、というところまで来て、俺は立ち止まった。
ハア、ハア。
息が上がる。
ううーくるしいー
脇腹が痛いぜ・・・
って、オイ!
血ィ出てる!
傷口が開いたか!?
やべえどーしよ。
俺は脇腹を押さえたが、その手がどんどんぬるぬるしていく。

困った、な・・・
ん・・・なんか、暗い、よう、な・・・
気、の、せい、か・・・?

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目を覚ますとみなれた天井があった。
タイルの数を数えまくったあの天井。
病院に逆戻りか・・・。
って、いま何時!?
ガバッと起き上がってお腹の衝撃に顔をしかめた俺の目に飛び込んできたカレンダー。
26日。
・・・・・・・。
サイドテーブルに壬生からのプレゼントが置いてあったのが唯一の救いだった・・・。

END


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