■動物愛護■ |
一人暮らしは意外と寂しいもんだ。 そんなこと今まであんまし気にしなかったけど、 醍醐と小蒔がひっついちまったり、葵は塾とかであいつらとあんましつるむことがなくなって、 というわけで、俺はペットを飼うことにした。 近所のペットショップへ向かう。 ぜってー猫だよな、なんて鼻歌交じりで木枯らしの中を急ぐ。 「いらっしゃいませー」 愛想のよいはげたおっさんが、にこにこしながら近寄ってくる。 気味のわりい笑顔だなあ、でもペットの管理は行き届いているようだ。 まず、目に飛び込んだのは、アメショー。 やっぱりかわいい。でも、どうも、飼う気がしない。 店内を物色して回る。 どの仔も、一生懸命、俺に愛想を振ってくる。 でも、いまいち。俺の気にいるやつはいない。 がっかりして、店を出ようとしたその時、 おっさんが声をかけてきた。 「実は、もう一匹、すばらしいペットがいるんです。 なかなか手に入らないんですよ。どうです?見てみませんか?」 すげえあやしいけど、おっさんの後をついていくことにした。 店の奥の方にでっかいおりがあった。 暗くて中にどんな動物がいるのか見えない。 目を凝らすと、何やら大きくて薄汚れたものがいる。 その瞳だけがやけにぎらつき、俺は、そいつに恐怖さえ覚えた。 ずっと、俺の方をにらんでやがる。 おっさんがそんなことお構いなしにべらべらしゃべる。 こいつはどうやら、人間をペットに改良したものらしい。 だけど、しゃべれないし、人間の言葉を理解できない。 すべては、チョーキョー次第だと言う。 俺は、こいつを飼うことにした。 理由?建前的には、悪いやつに飼われてめちゃめちゃにされたらかわいそうだから。 本音・・・。それは、こいつに、どうしようもなくひかれちまったからだ。 こいつは意外と高かった。予算オーバーだが、バイトで何とかなるだろう。 檻から出して、うちに連れてくるのは、骨の折れる仕事だった。 暴れるこいつをどうにか押さえつけ、まず、汚れた体を洗い、 ぼさぼさに伸びた髪を切る。 あまりにも吠えるので、俺はつい唇でその口をふさいだ。 ぬるりと生暖かいものが俺の口の中に広がる。 血だ。こいつ、噛みやがった。 思わず手を上げそうになったが、 暴力はいけない。していいことと悪いこと、これから教えていけばいいんだ。 と、心の中で言い聞かす。 ペットを飼う時、上下関係をはっきりさせる必要があるとなにかで読んだことがある。 俺は、こいつに、ご主人様だと言うことをわからせるために、 こいつを組み敷き、口の中に俺の物を咥えさせる。 そして、こいつの唾液でぬるぬるになったものを 今度は、こいつの後ろに突っ込んだ。 バスルームに悲鳴が響き渡るが、そんなの気にしないで、 どんどん掻き回す。 それにこっちには店のおやじにもらった薬がある。 言うことをきかない時に使うように言われた。 多分、媚薬かなんかだろう。 それをこいつに飲ませる。 眼がとろんとして、息使いが激しくなってきた。 感じてきたのか? こいつは腰を切なく振りはじめ、俺をどんどん締め上げる。 俺は、そいつの中で果てた。 ☆☆☆ バスタオルでごしごし拭く。意外とかわいい顔をしている。 ペットには名前を付けなきゃな。そうだ、「京一」はどうだろう。 「京一」呼びかけると、こっちを向いた。気に入ったようだ。 「今日からおまえは京一だ。いいな。」 それから、俺と京一の生活が始まった。 以前よりも俺の言うことを聞くようになったし、ご飯も何とかスプーンで食べれる。 言葉も徐々に覚えて、俺のこと「ヒーチャン」って呼ぶようになった。 今、京一といることが楽しくてたまらない。 寝るときも、「ヒーチャン、ヒーチャン!!」って、 俺の布団の中に入り込んできては、おねだりする毎日だ。 ペットといけないことしてるなんて、誰にも言えないよな。
おわり
|
|