□刹那□


 
もっと そばに来て俺に触れてくれ

その唇も

指先も

全部 俺のものにしたい

 

もっと 何度でも俺の名を呼んでくれ

おまえの声に

その吐息に

体中が熱く せつない

 

俺を愛してくれ

誰よりも おまえだけを愛すから

この唇で

指先で

なにも見えなくなるくらい おまえを壊してやるから

 

この広い東京で おまえと俺が出逢ったのは

決して偶然なんかじゃなく

きっと 最初から定められてた事だから

おまえの赤茶けた髪を抱くたびに

少しは 運命なんていうものを信じようかと思ってみる

 

だから 

もっと 求め合って

夜に深く沈んで

たとえ 明日この命が終ったとしても

 

出逢った事

愛し合った事

すべてが真実なのだから

おまえさえいれば 今はなにも怖くはない

 

 


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