□■□クリスマスは君と一緒に□■□





「そうだな」

と俺が答えると、京一は満足したようにニコッと笑って、
俺を先導するかのように先に立って歩き出した。
スキップでもしそうな勢いだ・・・。

いつもの、通いなれたラーメン屋に着く。

「ひーちゃん!今日は俺のおごりだからな!大盛りでもいいぜ!豪勢にギョウザ頼もうか?
 卵もう一個つけるか?2玉でも3玉でも・・・」
「そんなに食べられないって・・・」
「そ、そっか、・・・いや、なんか嬉しくてさ」

・・・そんなこと言うなよな。期待しちゃうだろ。
もしかしたら京一も俺のこと好きかな、とかさ。

俺は無言でラーメンをすすった。
京一はそんな俺を嬉しそうに眺めている。鈍感め。

あれもこれもと勧める京一をなだめてラーメン屋を出ると、雪がちらついていた。

「ホワイトクリスマスか・・・」

京一に言ったつもりではない、独り言だった。
だが京一はその言葉を継いで、

「クリスマス、しかも雪まで降ってるっつーのに・・・俺たちいつもと一緒だよなあ」

京一の言い方はいかにも不満そうだ。

俺は言った。

 Aそれが一番楽しいよ
 Bじゃあ違うことしようか


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